全国ニューシルバーパワーの会

日本の優れた物作りは何が起源か


日本の優れた物作りは何が起源か

J・J 日本塾塾長  亀田喜一

 日本製の自動車や電気製品は故障が少なく寿命が長いことで世界中に知られている。それは品質管理技術が優れているからだ。世界のメーカーがそれを真似しようとしても出来ない。ただ、ドイツ人や台湾人だけは出来るようである。

 この日本の品質管理技術を生かし、世界各国のメーカーを指導し、製品の品質を向上させることで、突発的な事故を防ぎ、労力の無駄を省き、天然資源の浪費を減すことができると思う。故障が多く寿命の短い製品を多く生産すれば悲惨な事故が発生し、スクラップが増え、再生産の為の労力が費やされ、世界的な天然資源の浪費に繋がるからである。しかし上述したように品質管理技術を完璧に使いこなせるのは日本人以外にはドイツ人を始めとして少数の国民しかない。実際、宇宙ロケットの成功率を見ても、アメリカは日本に及ばないそうだ。品質管理が物を言うからだと思う。

 なぜ日本の品質管理技術が世界的に優れているかと言うと、物作りの精神は今を遡る1万年以上前の縄文時代からずーっと日本民族精神として培われ、途切れることなく伝えてきたからである。即ち「全ての物の中に神宿る」とした縄文人の宗教心から来るのであると私は見る。全てのものに神が宿るとなれば、それらを人間が勝手気ままに使うことはできない。神様から有難く頂いて、無駄にすることなく十分に使い切り、作る製品の中にも魂を込め、そして使った後の物に感謝して葬ったりした。貝塚はただのゴミ捨場でなく、使い切った物に感謝をして葬るお墓なのである。

  縄文時代には食料となる動植物を絶滅に追い込むほどに採り放題に採ったことはない。何か一種類でも絶滅させてしまうと、食物連鎖のバランスが崩れ、その影響は多種類の動植物の再生産に支障を来たし、それがひどくなるとその地域全体が砂漠化するのである。その辺りは賢い縄文人はしっかりと心得ており、自然環境を崩すことは決してしなかった。

 縄文土器が世界的に最も早く作られ、またその優れた芸術性は世界的に認められてきており、縄文の優れた火焔土器は一基1億円で取り引きされると聞く。古代においては芸術性は宗教性からきている。全ての物に神霊が宿るとするところから、鳥でも虫でも道端の石ころでも、いつも何かを「語って」いるのである。鳥や動物や虫や石ころや土器までも、恐らく、「神の創造した世界は素晴らしい!」とか「人生は素晴らしい!」と「語っている」のである。だから。虫の音をただの雑音としか聞けない人種と違って、日本民族はそれらを「楽の音」として味わうことが出来る、進化した人種なのである。

 以上の事を述べるのは、日本民族だけが優れていて、あとの民族は劣等だと言おうとするのでない。それぞれの民族それぞれの特徴を持っていて、それをお互いに尊重し、生かし、補い合うべきである。しかし特に日本民族は他民族の持たない特質を多く持っていることを自ら自覚し、人類の福祉に貢献する義務なり、使命があると思うのである。

2016.09.21更新

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